2015年12月16日

新型プリウスで新しい溶接技術を採用

日経ビジネスONLINEより引用しています。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/264450/121100016/?P=1

新型「プリウス」が、いよいよ12月9日に発売された。

注目ポイントは2つあり、1つはハイブリッドシステムの刷新
そしてもう1つが、トヨタの新しいクルマづくりの手法「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を初めて採用したクルマであることだ。

もう1つのキーテクノロジーが「レーザー・スクリュー・ウエルディング(LSW)」と呼ぶ新しい溶接技術だ。
従来の車体の溶接はスポット溶接といって、溶接ガンで2~3枚の鋼板を挟み、高圧の電流を流すと、鋼板が自身の電気抵抗によって発熱することを利用して溶接するというものだった。
ところが、このスポット溶接には、ある程度以上、溶接個所の間隔を狭くできないという問題があった。
というのは、隣の溶接個所との間隔が狭くなると、鋼板を挟んでその間で電流を流そうとしても、隣のすでに溶接されている個所を通る電流が増え、溶接に必要な発熱量が得られなくなるためだ。

 そこでLSWは、重ねた鋼板に片側から高出力のレーザー光を当てて、その熱で鋼板同士を溶接する。
レーザー光のスポットは小さいので、光を当てる場所をらせん状に動かして、スポット溶接と同程度の溶接面積を確保する。
これをスポット溶接と併用することで、従来よりも溶接の間隔を狭くして、車体の強度を上げた。
具体的には、車体強度を向上させるうえで重要な車体側面のドア開口部周辺は、溶接点の数を従来より、約3割増やしたという。

 プリウスの開発の途中で発表された独フォルクスワーゲン(VW)の7代目「ゴルフ」のボディ剛性が、トヨタの予測よりも大幅に高いことが分かり、全面的に設計を変更したというのだ。
結果として新型プリウスの発売は当初の予定より1年ほどずれこんだ。

 具体的にどこを強化したのか?」と聞くと「ほぼ全部ですね」という。
新型ゴルフが発売された2012年秋は、TNGAの開発が始まって既に3年近くが経過した時期であり、かなり設計は進んでいたはずだから、この時期の全面変更は、大きな決断だったに違いない。
その甲斐あって、新型プリウスのボディ剛性はゴルフを凌ぐ水準だという。
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乗り心地も良いようです。
トヨタの挑戦が楽しみです。
  

Posted by (公財)神戸市産業振興財団 at 19:20Comments(0)気になる話