2016年04月06日

ホンダ、レーザーで鋼板を高速切断する技術開発‐プレスからレーザーに置換は業界初

日刊工業新聞HPから引用します。(2016年4月1日 自動車)
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00380437?isReadConfirmed=true
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投資抑制・省スペース化

ホンダはレーザーで鋼板を高速切断する技術を開発した。
小型車「フィット」などを生産する寄居工場(埼玉県寄居町)に昨年4月から導入。
ボディーを形作る鋼板の型抜きをする工程に活用している。
主流のプレスからレーザーに置き換えるのは業界初の試み。
その技術や狙いを追った。


【工程の違い】

ホンダが開発したのは「レーザーブランキング」。
鋼板の型抜きはよくある工程だが普通使われるのは「プレスブランキング」だ。
鋼板はトイレットペーパーのようなコイル状態で工場に納入される。
寄居工場主幹の岡明男氏はトイレットペーパーを例えにプレスとレーザーの違いをこう説明する。
「紙のミシン目ごとにいったん停止して型抜きをするのがプレスで、紙を引き出し続けながら型抜きをするのがレーザーだ」。
レーザーブランキングした鋼板
 (上の写真は、レーザーブランキングした鋼板)
レーザーブランキングは家電製品の筐体など小物では実用化されているが、車のような大物には不向きとされてきた。
切り取り線が長くなると時間がかかるためだ。
したがって車に応用するにはレーザー加工の高速化がポイントになる。
ホンダはレーザーヘッドを軽量化しヘッドが縦横に素早く移動できるシステムを開発。
従来の4倍の毎分120メートルという世界最速の加工スピードを実現した。

(中略)

【導入した理由】

そこまでしてレーザーを導入したのは投資の抑制や省スペースにつながるからだ。


プレスがないと金型が不要になり金型を置くスペースもいらない。
重いプレス機がないと基礎工事が浮かせる。
コイルから引き出す際に鋼板をたわませて待機する「ルーピング」という深さ5メートルの空間も不要だ。
このため初期投資は「装置自体はプレス機と同等だが基礎工事を含めた全体では安くできる」と長谷川清一技師は言う。

次の課題はランニングコストの検証。特にメンテナンスのしやすさだ。「鉄粉の掃除などプレスとはまったく別の世界」(奥中氏)という新たな課題に挑む。

レーザーブランキングは鉄だけでなくアルミやハイテン材にも適用できるといい、メンテナンス性をクリアできれば汎用的な技術になる可能性がある。
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今ある技術を別のものに置き換えることは、新たな何かを生み出すパワーの源になると思いますが、
なかなか難しいことだと思います。

技術もそうですが、発想を変えることの難しさを感じます。

新しいチャレンジに興味を持ちました。




  

Posted by (公財)神戸市産業振興財団 at 19:50Comments(0)気になる話